令和5年2月5日（日）、東温市の横河原集会所にて「とうおんお伽草子」の上演があり、約50名以上の観客が集まりました。

地元の民話を題材にした作品で、市内の小学生たち10名が出演。約2ヵ月間、当日を含む全10回の稽古を経た子どもたちによる堂々とした演技を観ることができました。

東温市市民提案活動支援事業「ちいきとえんげき vol.1」

今回の企画は、東温市市民提案活動支援事業に採択された取り組みです。市内の小学1年生から6年生までを対象に、演劇にかかわる機会が提供されました。

企画を主催した市民団体「Feel Free」代表の山木美里さんは東温市出身の23歳。自身が中学生の時に出演した東温市民ミュージカルをきっかけに、演劇やミュージカルに興味を持ったそうです。高校でも演劇部で活動し、大学進学を機に地元を離れた後も、学生劇団に所属しながら、東温市における地域と演劇のつながりの可能性を考えていました。

そして社会人として地元に戻ってきた今年度、地元で俳優活動を続けている友人の汐見玲香さんとともに今回の企画を提案されました。

（※写真右から山木さん、汐見さん）

地域の民話を題材に、10日間の演劇体験

今回の「ちいきとえんげき」という取り組みは、子どもたちに自由で楽しい表現活動の場を提供することで、文化芸術の楽しさや面白さに触れてもらうとともに、自分たちの住む地域について少しでも興味を持ってもらえたらうれしい、という思いで企画されました。

地域の昔話「身代わり狸」を題材として、子どもたちによる演劇の上演がゴール。12月から2月まで、市内の公共施設などで稽古を重ねて本番に臨みました。

今日は横河原ぷらっとHOME(@yokopura_toon )での練習でした🌷

今回のお話に出てくる「身代わり狸」の実際の祠も見ることができました⛩

本番まであと少し‼︎
まだまだ良い作品を目指してがんばりたいです。 pic.twitter.com/xYLJhDxxnb

— Feel Free (@FeelFreeToon) January 21, 2023

稽古では、実際に題材となった横河原地区の二本松にも訪れました。

プロによる指導と、本格的な舞台セットも

作品演出や演技指導を務めたのは、俳優・舞台演出家であり東温市地域おこし協力隊の斉藤かおるさん。子どもたちから慕われて、いつも和やかな雰囲気で稽古を行っていました。

とはいえ発表会まで少ない稽古時間の中、時に厳しい指導もありました。回を重ねるうちに子どもたちの表情も真剣になり、本番前の稽古では集中して話を聞いて、アドバイスを求める様子も見られました。

地域の集会所が子どもたちの舞台に

本番の会場となったのは、いくつか候補があった中、横河原集会所。今回の作品の舞台となった地区の集会所です。

もちろん舞台セットなどありませんでしたが、地元の音響屋さんや地域おこし協力隊、地域の方々も協力して、本格的な設備が設置されました。

何もなかった集会所の会議スペースに客席と舞台、音響や照明が設置されると、子どもたちの緊張感もより一層高まりました。

本番の会場準備も手伝いました。

「とうおんお伽草子」は、約50名の満席に

本番当日は、親御さんや関係者のみでなく、地域の方々や出演者の友だちなどたくさんの方々が来場し、用意していた座席は満席となりました。

約25分間の短い舞台でしたが、思わず涙してしまう場面やクスっと笑ってしまう場面もあり、皆さん子どもたちの演技に感動していました。

今回の「ちいきとえんげき」を通じて、短い期間でしたが子どもたちの成長する姿がたくさん見られ、大人たちもたくさんの気付きや元気をもらったようでした。

地域の中の新しい“居場所”を目指して

今回の取り組みを企画した団体「Feel Free」とは、日本語で「お気軽に」という意味。

▼ホームページには以下のように記載されています。

 

今回の公演を観て、引き続きこういった機会を作ってほしいという声もありました。地域に居場所を作るとともに、子どもたちに貴重な体験を提供する良い機会となりました。

今後の活動も期待しています。