東温市樋口(ひのくち)地区。
2024年、神奈川県から東温市へ家族で移住し、夏に『東温バレエスタジオ BAUM』をオープンしたご夫婦を紹介します。
プロのバレエ団で活躍していたご夫婦が移住先に選んだのはご主人の故郷、東温市(とうおんし)。
「生まれ育った東温市でいつかバレエ教室を開きたい。」という思いを抱いていたご主人の瞬さんと、そんな思いに寄り添い「住めば都、なんとかなる。」の気持ちで移住した奥様の夏さんにお話を伺いました🎤
遠くまで見渡せるのどかなまち
東温市への移住を決めた理由やきっかけを教えてください。
夏さん:結婚当初からいつかは夫の出身地である東温市に移ろうとは考えていました。
その時は子供が小学校に上がる前なのか、子供の手が離れたらなのか老後なのか…とても曖昧なもので移住時期は何も決めてはいませんでした。
夫は東京のバレエ団で踊っていたので、平日はリハーサル、土日祝は舞台本番になることが多く、私は仕事をセーブしながら子育て中心の生活を送っていました。
ですが、私の実家も愛知県と遠く、何かあった時に頼れる人が周りにいなかったので、仕事柄子育てとの両立は難しく感じるようになりました。
そして、2023年の春に夫が「来年の3月でバレエ団を辞める」という決断をして、東温市への移住を現実的に考え始めました。
実際に樋口地区に住んでみた感想を教えてください。
夏さん:畑や田んぼに囲まれているので、遠くまで見渡せてとてものどかです。
街灯がないので、夜は真っ暗で出歩くのは怖いですが、夜空一面の星には感動しました。
言い過ぎかもしれませんが、富士山に登った時に見た星空を思い出したくらいです(笑)
瞬さん:人が優しく、道を通る学生さんが挨拶をしてくれて嬉しいです。
移住してみて、大変だったことや困ったことはありますか?
夏さん:車に頼ってしまい、運動不足になることです。
今までは徒歩や電車移動が中心だったので、車の運転を練習するところから始めました。
狭い道や駐車場は緊張するので、最初は近くの用事や保育園の送り迎えは歩いていくぞ!と意気込んでいたのですが、暑い、寒い、荷物が多い、時間がない、と何かと理由をつけて車に頼ってしまう自分が悔しいです(笑)
歩くとリフレッシュできますし、子供たちにも歩いて体力をつけてもらいたいと思っているのですが、車の生活に慣れ過ぎてしまうのが怖いです。
瞬さん:車がないと何処に行くにも不便だなとは感じます。
夫婦でペーパードライバーだったため、まず運転に慣れるのが大変でした。
あとは、ゴミ回収の回数が少ないので、生活していると思ったより困るなという印象です。
神奈川に住んでいる時は、どのゴミも毎週最低1回は回収してもらっていたのですが、東温市は燃えるゴミ以外は月に2回、もしくは1回とゴミを出せる日が少なく、不便に感じています。
こまめにスーパーに出しに行っていますが、それはそれで少し手間です。
移住前と移住後で東温市の印象に変化はありますか?
夏さん:東温市のことは、移住前に3回程夫の実家に遊びに来ただけの知識だったので『田舎=のどか』というイメージだけを持って「住めば都だ!なんとかなる!」と移住してきました(笑)
実際移住してみて一番感じることは、東温市で嫌な思いをしたことがないくらい、人が優しく穏やかだな~ということです。
都会ではみんな疲れきってイライラしているのか、役所やお店などでも嫌な対応をされたことが何度もあって、今までせかせかした世界で生きてきたんだなぁと思い知らされました。
方言でそう感じるだけなのかもしれませんが、会う人会う人フレンドリーで、心に余裕があるように感じます。
ですが、こんなに温かい人が多いのに、運転が荒いなと感じる人が多いのがとっても不思議です(笑)
瞬さん:記憶では田んぼが多かった印象でしたが、久しぶりに生活してみるとコンビニやドラッグストアにスーパーなども増えていて、ずいぶん便利になったなーと感じました。
東温市のおすすめスポットやお気に入りスポットについて
夏さん:ハロウィンの森は、息子と何度も行っています。
今までは滑り台とブランコがあるだけの小さな公園をはしごして、たまに電車に乗って大きな公園に行くと人で溢れかえっている…という感じでした。
ですが、ハロウィンの森は広い公園で思う存分遊ばせることができるので、親子でお気に入りです!
眺めもいいので、息子を追いかけ回し疲れたら、景色を眺めて「あ~空が広いな~」と休憩しています。
瞬さん:スポットという程ではないですが、子どもと家の近くの田んぼ道を散歩している景色は、ゆったりとしていて良いなと思います。
海外や東京で学んできた今の知識を、地元である東温市から伝えていきたい
東温市でバレエスタジオを開いた経緯を教えてください。
夏さん:学校の先生になるか、バレエの道に進むか迷っていた時期がありました。
バレリーナから学校の先生にはなれても、学校の先生からバレリーナにはなれないと思い、30歳まではバレエの道に進もうと決めて、とにかく踊り続けたのです。
東京で舞台に立っているうちに、関東のバレエ教室の先生方とのご縁でいくつかのスタジオで教えることになりました。
踊ることが好きでバレエを続けてきましたが、バレエを教えることも同じくらい好きだと気付き、バレエ講師は迷っていた2つの夢を叶えてくれている最高の仕事だと思うように!
そして、最終的には夫が地元でスタジオをやりたいという夢に乗っかりました(笑)
東温市には、アートヴィレッジセンターがあることを知り、芸術に力を入れている市なら心強い!とも思いましたね。
瞬さん:いずれは愛媛でバレエを教えるようになれればとずっと思っていました。
まずは小規模でも、海外や東京で学んできた今の知識を、地元である東温市から伝えていけたら良いなという思いです。
バレエ教室を始めてみていかがですか?
夏さん:特に子供クラスはバレエ経験なく始めてくれているので、生徒にとって私が最初のバレエの先生です。
せっかくバレエに興味を持ってくれた生徒たちに、もっともっとバレエを好きになってもらいたいですし、バレエを通して成長して欲しいので、重大任務!と思ってやっています。
バレエを教えること以外の事務仕事が思った以上にありますが、やりたかったことを挑戦していけるのは刺激があって楽しいです。
瞬さん:僕は主に大人の方を教えていることが多いのですが、皆さんとても熱心にバレエと向き合ってくれています。
沢山汗をかきながら楽しそうに踊っている姿をみると、こちらももっともっとたくさんのことを伝えようと熱意が湧きます。
発表会などお披露目の場はありますか?
発表会は生徒が増えたらやりたいと思っています。
子どもたちにとっても発表する場があったほうが楽しいと思うので、披露する場を探しています。
できれば東温市のイベントなどに出てお客さんに見てもらい、もっとバレエを知ってもらいたいです。
バレエを身近に感じてほしい
バレエ教室を始めてもうすぐ半年になりますが、東温市で教室を始めてよかったことを教えてください。
夏さん:まず出逢いには感謝です!
まだまだ人数は少ないですが、生徒とそのご家族とのご縁は大切にしたいです。
長いお付き合いになると信じて、5年後、10年後どう成長しているのか楽しみです。
瞬さん:地域の中での交流の場にもなれることです。
まだ半年程ですが、バレエ教室に通う生徒の親御さんをはじめ、沢山の東温市の方と繋がりを持つことができました。
大変だったこともありますか?
夏さん:自分自身の勉強の場が少ないことです。
常にお手本を見せられる講師でいたいと思っているので日々のレッスンは必須ですが、東京のように講師が受けられるクラスがないので、たまに都会に出向いて勉強する必要があると感じています。
もうひとつ、東温市ではスタジオにできそうなちょうど良い空きテナントが今のところ見つかっていないので、大きなスタジオを持つことが難しいです。
東温市でやることに拘って現在探し中です。
アートヴィレッジセンターをもっともっと活用できたらと思うのですが、リハーサルホールは使用料が高いので、固定利用するにはまだ難しいのが現状です。
瞬さん:バレエを広めることです。
まだまだバレエスタジオが認知されていないと思うので、是非皆さんに興味を持っていただき、バレエが『敷居が高い』ものではなく、もっと身近に感じていただけると良いなと思っています。
バレエを始めたい方へメッセージがあればお願いします。
クラシックで高尚なイメージを持たれやすいバレエですが、習い始めの小さい頃はリズムに乗って、可愛く楽しく踊ってもらうことを大事にしているので、あまり難しく考えず、気軽に気楽に体験に来ていただけると嬉しいです。
もちろんプロを目指している方も、ご希望があればレッスン可能ですので、お問い合わせお待ちしています。
最後に移住を検討中または興味がある人へメッセージがあればお願いします。
夏さん:こども館(児童館)や総合保健福祉センターは建物も綺麗で、おもちゃやイベントがとても充実していて、職員さんの人数も多く相談もしやすいので子育て世代にはとても良い環境です。
また、自然豊かなので、のびのび生活できていると実感できます。
都会の生活に疲れている方はぜひ、と言いたいですね。
あとは、地域の中学生が知らないおばさん(私)に「こんにちは」と挨拶してくれるのは、都会では考えられないことだと思います。
我が子にも彼らのように素直に育って欲しい、と思うと同時に子育ての不安が少しだけ軽減しました。
瞬さん:都会のような便利さや華やかさはないですが、都会での暮らしに比べると住んでいて気持ち的にとても楽です。
子どもを育てる環境としてはすごく良いなと思っています。
ただ夏場の虫やクモの巣には苦労しました(笑)
「赤ちゃんから通っていただけるスタジオ」を目指して
お二人とも、取材にご協力いただきありがとうございました。
スタジオのインスタグラムには、小さなお子さんとママ向けのベビママヨガや日々のイベントの様子など掲載されています。
ハイハイレースも実施されたようで「赤ちゃんから通っていただけるスタジオを目指しています!」と明るく話されている様子が印象的でした。
最近まで東京のバレエ団に所属し、プロとして踊られていた方の指導を受けられる教室は愛媛県では珍しいと思います。
お二人とも気さくで、バレエに対して抱いていたイメージを払拭されたような気がします。
ストレッチのクラスも実施しているようなので、身体が絶望的に硬い私も体験に行ってみようかな~と検討中です。
\ 東温バレエスタジオ BAUMについて /
住所:愛媛県東温市樋口
問い合わせ:toonballetbaum@gmail.com
インスタグラム:東温バレエスタジオ BAUM
詳しい情報は、ホームページをご確認ください◎
東温市移住・定住支援ポータルサイトでは、ほかにも移住者インタビューを掲載しています。
ご興味のある方はぜひこちらものぞいてみてください~!
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