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中学生が地域で5日間の職業体験!東温市が「ジョブチャレ」で実施した大改革とは?

こんにちは!

今回の記事では、愛媛県内の中学生を対象に実施されている「えひめジョブチャレンジU-15事業」(略称「ジョブチャレ」)についてご紹介します。令和5年度、東温市の中学校2校では「ジョブチャレ」の大改革が行われました。

今回は、運営に関わる東温市地域コーディネーターの酒井さんにお話を伺いました。

愛媛県で始まった「ジョブチャレ」って?

- ジョブチャレについて教えてください。

「ジョブチャレ」とは、愛媛県で平成29年度から始まった「えひめジョブチャレンジ U-15 事業」の略称です。中学生が地域で 5 日間の職場体験学習を行い、地域の産業の魅力や様々な企業を知ることで地元で働く魅力を感じ、将来地元で就職したいと思う子どもたちの育成につなげようというものです。

県で特設HPを作るほどの肝いり事業ですが、この事業が通常実施できたのは2~3 年のみ。新型コロナ感染症感染拡大の影響を受け、令和 2・3 年度はほとんど実施することができませんでした。令和 4 年度には再開した学校が多かったようですが、感染対策の観点から日程や時間を縮小したところがほとんどです。


中学生たちが様々な職場体験を行いました

大改革のきっかけは、「地域の声」

- 東温市でのジョブチャレの刷新について教えてください。

ジョブチャレの刷新に取りかかったきっかけは、川内中学校学校運営協議会(※)で聴いた”地域の声” でした。一人の委員さんが「これまでずっと3日間の職場体験を受け入れていたが、ある年突然『今年から5日間の受け入れを』と学校から言われて断らざるを得なかった。うちのような小さな事業所で5日間は厳しい。」「初日は自転車整備からはじまって、2日目は・・・と、自分なりにプログラムを考えて、毎年子どもたちが来るのを楽しみにしていたのに。」と、残念そうに仰ったのです。

前年、重信中学校の事業所開拓のお手伝いをした際に、先生方の負担を知ったことも事業刷新の必要性を考えはじめた理由の一つではありましたが、改善急務!と感じたのは、この委員さんの言葉から”地域”の現場を知らない人たちからの通知が子どもたちから人とのつながりや深く学ぶ機会を奪っているということに気づかされたからです。

(※)学校運営協議会(コミュニティ・スクール)とは、「学校を核とした地域づくり」を目指して学校運営やその運営に必要な支援について協議する機関です。東温市の学校・家庭・地域連携推進事業の一環で、未来を担う子どもたちの成長を支え社会総がかりで子どもたちを育むため、東温市内すべての学校に導入されています。

東温市には、子どもたちに出会わせたい人がたくさんいる

- どのように刷新に取り組みましたか?

”地域の声”を聴いた後、すぐにキャリア教育関係の資料を集めはじめました。その中でもひときわ輝いて見えたのは、島根県益田市の実践でした。職場体験を「今頑張っている大人たちのことを知り、一緒になって経験を積み『こんな風になりたい』と感じるロールモデルとの出会いの場」と位置付けし直したものでした。

職場体験を”人との出会いの場”と考えるなら・・・東温市には、子どもたちを出会わせたい人たちがたくさんいる!・・・ ぼんやりとしていた事業の姿が、だんだんと明確になっていきました。 中学校の先生にヒアリングを行い、愛媛大学の幅広い専門分野の先生方からアドバイスを受けプログラムをつくっていきました。同大学社会共創学部の岡本隆教授は、事業につきっきりでご指導をくださって、先生方にも生徒にも分かりやすく「中学生に必要なのは『働くことについてのポジティブなマインドづくり』」と伝え、生徒たちも未知の挑戦を前向きにとらえて過ごすことができたようです。


1日目、地域の事業者さんの話を聴く中学生たち

 事業の成否は、子どもたちの姿が教えてくれる

- 新しく刷新したジョブチャレを実施してみてどうでしたか?

新しいジョブチャレでは、「地域の”働く人”と出会い、”仕事への想い”や”生き方”に触れる機会とする」「見知らぬ場所・人との出会いにより、視野・価値観を広げる機会とする」「人格形成の土台となる地域への愛着を育む機会とする」を目指すものとなりました。

ジョブチャレ第1日目の”人と仕事に出あう会”は、子どもたちが自ら選ぶ体験と大人の”語り”の中から人それぞれの歩みと仕事観を感じ取る時間。第2~4日目は、生徒たちが市内の事業所で仕事を見学させてもらったり体験させてもらったりする時間。最終日は、自分たちの体験をふりかえり、感謝を伝える動画を作成するなど、慌ただしくもメリハリのある 5 日間のプログラムになったように思います。

2校の2年生約300人の学びをたくさんの市民が応援した5日間。その応援に対して、子どもたちは予想以上の学びと成長を見せてくれました。実習初日に家庭で「仕事内容に興味が持てない」とこぼしていた生徒が、最終日のふりかえりで「こんな仕事があると知って、いつか役に立つ気がする」と語っていたり、友達に「夏休みやし、起きれんかも」と気乗りしなかった生徒が毎日楽しそうに通ったり。


市内の様々な事業者さんの協力がありました

ふりかえりのアンケートからも、仕事の意義や自身の課題など深く考え、たくさんの気づきを得たことが伝わってきました。益田市教育委員会で職場体験刷新を手掛けた大畑伸幸先生は 「事業刷新の成否は、子どもたちの姿が教えてくれる」と仰っていましたが、その言葉に頼るなら今年の事業刷新は大成功だったのではないでしょうか。 

たくさんの地域の人に支えられて

- 事業者さんや地域の方々の反応はどうでしたか?

はじめての受け入れに戸惑いながら優しく指導してくれた人、2日間の活動で終わる生徒のために「メインの活動に関連する一日体験学習」を用意して学びを深めてくれた人、お礼状や動画作成の指導を手伝ってくれたボランティア、会場や車の手配・苦情対応までしっかりとこなしてくれた教育委員会の人、心配と労いのあたたかな声をかけ続けてくれた人。たくさんの人たちに支えられていることを感じた日々でした。


2~4日目の職場体験の様子

たくさんの人の知恵と力を集め、子どもたちの可能性を信じて新しい学びをつくることは、苦労の数千倍の楽しさに満ちています。本年度の試行錯誤にお付き合いくださったすべての方々に心からの感謝を込めて、これからも学びのコミュニティづくりに挑戦していきます。

社会総がかりで子どもたちを育む東温市

酒井さん、ありがとうございました。東温市には、各学校の先生や保護者の方々はもちろん、子どもたちの成長を支える地域の方々がたくさんいらっしゃるのですね。

今回お話を伺った「ジョブチャレ」の他にも、東温市では様々な「学校・家庭・地域連携推進事業」が実施されています。事業について知りたい方や地域教育に関わりたい方は、地域学校協働活動サポーターという制度もございます。こちらのホームページからご覧くださいね。

※記事に掲載した内容は投稿日時点の情報です。変更される場合がありますので、ご了承ください。
※令和3年4月よりお問合せ先が東温市産業建設部地域活力創出課地域振興係TEL 089-964-4414に変わりました。

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