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東温市に地域おこし協力隊として移住して8年。住んでみた感想【愛媛移住】

こんにちは。
東温市地域おこし協力隊OBのフジオカです。

今回は、東温市(とうおんし)に移住した体験について改めて書かせていただきます。
東温市や愛媛県に移住を検討されている方や、暮らしている方の参考になればと思います。

少し長くなるかもしれませんが、お付き合いください。

f:id:keitaf31:20250324085932j:image(※いつも水を汲んでいる滑川地区の湧水スポット)

ぼくは2017年4月に地域おこし協力隊として東温市に移住しました。
気が付けば、移住して8年。協力隊の任期は3年間なので、任期を終えてからの期間のほうが長くなりました。
おかげさまで、この場所で楽しく生活させていただいています。

現在は、伊予鉄道横河原線の終着駅である横河原駅のすぐそばで本とコーヒーのお店「駅と珈琲」を営んでいます。
そのほか、こうして記事を書かせていただくなど、東温市を拠点にさまざまな活動をしています。

f:id:keitaf31:20250329134140j:image(※拠点として運営している小さなブックカフェ「駅と珈琲」)

東温市に移住したきっかけ

生まれ育ったのは愛媛県松山市です。大学進学を機に広島に移住し、東温市に移住する前は大阪で会社員をしていました。
退職後そのまま大阪市内で暮らしていましたが、1ヶ月間ほど静岡県にある知り合いの農園に住み込みで働く機会がありました。

f:id:keitaf31:20250329134624j:image(※農作業の休憩中。当時まだ20代前半でした)

そこでは早朝から家畜に餌をやったり、作物の収穫作業をしたり、日中に汗を流してしっかりごはんを食べて、夜は疲れてぐっすり眠るという暮らしを体験しました。漠然と「田舎暮らしいいな〜」と感じたのは、この体験がきっかけです。「それなら『地域おこし協力隊』という制度があるよ」と教えてもらったのもそのときでした。

地元の愛媛県でも地域おこし協力隊の制度はあるのかな?と思い、その場で検索したときに出会ったのが、東温市の地域おこし協力隊募集のページでした。当時、愛媛県内の各自治体がさまざまな案件で募集していましたが、その中でも直感的になんとなくピンときたのが東温市の案件でした。すぐに応募させていただき、翌4月から着任。こうして、東温市での暮らしが始まりました。

f:id:keitaf31:20250626150619j:image(※移住した4月に印象的だったおすすめスポット重信川河川敷の桜並木)

地域おこし協力隊の活動について

東温市の地域おこし協力隊は、当時まだ制度が導入されて2年目。ぼくは2期生として採用され、活動のミッションは「中山間と街中をつなぐ取り組みの支援」でした。特定の担当地区はなく、いわゆるフリーミッション型という形式の地域おこし協力隊。コーヒーと本のお店をすることは、移住当初全く考えていませんでした。

着任当時、すでに1期目の隊員の方々が中山間部の各地区を担当し、それぞれに拠点を整備していました。それらの活動を市民や市外の方々に広め、つながりを作り、街中からの人の流入や関係作りを促すことがミッションのひとつでした。

ちょうどその頃、東温市では「アート・ヴィレッジとうおん構想」が始まったばかり。同期の隊員3名はみんなアート分野の担当でした。
現在の東温アートヴィレッジセンターはまだ完成する前でしたが、アート担当の隊員の方々の企画するイベントに協力することも多かったです。

f:id:keitaf31:20250329144542j:image(※2018年に完成しオープンした「東温アートヴィレッジセンター」)

活動拠点としては「横河原ぷらっとHOME」を使わせていただき、スタッフとしても働いていました。
そういった経緯で、現在でも施設の運営に関わらせていただいています。

任期中には、この場所を拠点に広報活動や他の隊員のサポート、施設を活用したイベントの企画などを行いました。

f:id:keitaf31:20250329161200j:image(※多世代交流拠点「横河原ぷらっとHOME」)

そのほか、地域おこし協力隊の活動の中で、滑川地区のキャンプ場施設「なめがわ清流の森」を活用して「滑川どろんこサッカー大会」や「滑川ブックキャンプ」といったイベントも企画しました。

f:id:keitaf31:20250626141618j:image(※開催の様子は、それぞれInstagramでご覧いただけます。滑川どろんこサッカー大会@namegawa.doronko / 滑川ブックキャンプ@namegawabc

「滑川ブックキャンプ」は引き続き毎年開催しており、今年も秋に第6回目の開催を予定しています。

任期後の活動について

任期終了とほぼ同時期に新型コロナウイルスの流行が始まりました。3年間の活動報告会も中止となり、実は活動をちゃんと報告する場は流れてしまったままでした。

任期後は、個人事業主として活動しており、現在はコーヒーと本のお店「駅と珈琲」を拠点としています。
移住当初、本屋が少ないと感じていたので、こんな場所があったらいいなという場所を形にしました。東温市を訪れるきっかけになればと思って営業しています。

f:id:keitaf31:20250626154133j:image(※「駅と珈琲」の店内)

10人も入れば満席となってしまう小さな空間です。基本的にコーヒーなどのドリンクのみを提供するお店ですが、定期的に読書会やボードゲーム会を開催しており、誕生日会などの小さな集まりに使ってもらうこともあります。2階はシェア型の本屋となっており、依頼があれば学習スペースとしても開放しています。

f:id:keitaf31:20250626154553j:image(※横河原土曜夜市の日の様子)

夜はアルコールも提供しており、年に一度の横河原土曜夜市では、営業しながら休憩所としても利用いただいています。
今年の横河原土曜夜市は7月19日(土)です。ぜひお越しください。

任期が終わったばかりの頃は、まだ店舗を持っていなかったのでイベント出店をメインに活動していました。
現在も各地で開催されているイベントへの出店を続けています。

f:id:keitaf31:20250329144720j:image(※横河原地区にある「スーパーたかすか」にて出店の様子)

お店の他に、横河原ぷらっとHOMEの運営には引き続き関わり、東温市の地域学校協働活動推進員として放課後子ども教室や土曜課外活動の運営にも関わっています。

f:id:keitaf31:20250327173605j:image(※東温市内の放課後子ども教室のスタッフとして活動する様子)

また、愛媛県内の地域おこし協力隊経験者が多く在籍する「一般社団法人えひめ暮らしネットワーク」では、参事として愛媛県への移住相談に関する業務や地域おこし協力隊のサポート事業などに携わっています。

f:id:keitaf31:20250626152611j:image(※一般社団法人えひめ暮らしネットワークでの会議の様子)

プライベートでは、移住してすぐに地元の社会人フットサルチーム「東温K-Luz(ケイルース)」に所属し、現在も活動しています。2018年には全国大会出場も経験させていただきました。

肩書きはいろいろありますが、現在はいろんな形でこのまちと関わりながら、無理なく暮らしている人という感覚に近いかもしれません。

東温市に移住してよかったこと

振り返ってみると、このまちに住んでよかったなと思うことは本当にたくさんあります。実感していることをいくつか挙げてみます。

●人が温かい
「えひめの東は、温かい。」というキャッチフレーズもあるように、市役所の対応も、地域の人たちの接し方も、全体的におだやかで親切です。
●ごはんが美味しい
産直市がたくさんあり、季節の野菜や果物が安価で手に入ります。自然農や無農薬に関心を持つ人も多く、食べることと暮らしがつながっている印象です。
野菜、果物、お米、地元の飲食店。どれをとっても味わい深くて、食べることが好きなぼくにとってはここで暮らす大きなメリットです。

f:id:keitaf31:20250627133818j:image(※米づくりが盛んで、中山間部では棚田の美しい風景が各所で見られます)

●田舎すぎず、街すぎない
大型スーパーや映画館もある一方で、15分も車を走らせれば山間部にたどり着く。このどちらもあるバランスが心地いいです。
また、都会から来ると物理的な人の少なさに安心します。

●交通アクセスがいい
県庁所在地である松山市までは車で約30分。電車やバスもあり高速道路も整っているため、交通の利便性は高いです。
また、松山空港へも東温市役所から車で40分ほどで到着します。旅行に行く際にも不便を感じることはあまりありません。

●文化との距離が近い
東温市に来てから演劇や音楽に触れる機会が増えました。
行政がアートをまちづくりに取り入れていることで、暮らしがほんの少し豊かになる。その実感を移住してから何度も味わってきました。

●豊かな自然がある
言葉にしてしまうと地方ではありきたりのメリットかもしれませんが、皿ヶ嶺系の山々に囲まれており、気持ちの良い自然スポットがたくさんあります。
春の桜、初夏の蛍など季節を感じられる楽しみもあります。

f:id:keitaf31:20250627132433j:image
(※おすすめのスポット「白猪の滝」。冬の氷瀑も絶景です)

東温市に移住して困ったこと

もちろん、いいことばかりではありません。暮らしてみて気づいた、工夫が必要なこともあります。

●車はあったほうがいい
駅の近くに住んでいても、買い物やちょっとした外出は車がないと不便です。
もちろん個人によって異なりますが、車の運転に抵抗がある人は、生活スタイルに工夫が必要かもしれません。

●ネット環境が地域により不安定
中山間部はもちろん、市街でも使っている回線や機器によっては不安定になることがあります。
ぼくもポケットWi-Fiが使えず困った時期がありました。とくに仕事でネット環境が必要な人は、事前に確認しておくと安心です。

●泊まれる場所がまだ少ない
これは移住当初に感じたことですので、現在はゲストハウスなどの宿泊施設も増えてきています。
ただ、もう少し選択肢が増えてくれたら嬉しいなと思っています。

移住を検討している方へ

移住を考えるとき、「どんなまちか?」と同じくらい「自分がどんな風に暮らしたいか?」を考えることが大事だと思います。

東温市には、観光地のような派手さや、圧倒的におすすめできる部分があるわけではないけれど、暮らしていくうちにじわじわと「いいなあ」と思えるポイントや出会いがたくさんあります。

「住めば都」という言葉がありますが、ここは住んでみてから都に変えていける街ではないかと感じています。観光では見えにくいその魅力を、実際に暮らす中で味わってみてほしいなと思います。

※記事に掲載した内容は投稿日時点の情報です。変更される場合がありますので、ご了承ください。
※令和3年4月よりお問合せ先が東温市産業建設部地域活力創出課地域振興係TEL 089-964-4414に変わりました。

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