こんにちは。
愛媛県東温市(とうおんし)の移住・交流担当です。
東温市に移住された方に、その思いや移住までの道のり、これからの展望などをお聞きする「移住者インタビュー」。
今回は、平成28年4月に京都府から東温市に移住された森田さんに、移住してからの生活や、協力隊活動についてお話を伺いました。
移住までの道のり
2013年に、東北へ災害ボランティアに出向いた際、地域おこし協力隊制度を知り、翌年の2014年には、北海道の協力隊として活動。
そこで廃校を再利用した施設『子どものための自然体験学習施設』を運営し、様々なプログラム開発に従事。
一時京都に帰省した後の2016年、「もう一度地域づくりに携わりたい」という強い思いがあり、ご両親の出身地でもある愛媛県の地域おこし協力隊の説明会に参加し、2017年4月、東温市地域おこし協力隊として奥松瀬川に移住。
移住後の生活について
東温市に移住してよかったことを教えてください。
生活環境が良いです。静かですし、騒音もないです。
その割に、すぐに街にでることができるので、不便さは全く感じたことがないですね。車で10分もあれば買い物に行けます。
普段は、(※1)ヤマサンセンターやセイムス、(※2)セブンスターで買い物をしています。
※1,2・・・地元のスーパーマーケット
移住して大変だったことや困ったことはありますか?思い描いていた生活とのギャップは?
生活する上で、特にギャップは感じなかったです。
あまりないのですが、困ったことといえば、酒の文化ですかね。お酒があまり得意ではなかったので。
年間どの程度、地域のお祭りごとや、地域の方との共同作業がありますか?
お祭りは、夏祭り、収穫祭、秋祭りの3つです。作業については、道刈り(側溝の掃除)が年に2回あります。
公民館の行事(3世代交流、サロン)が年間通じて、いろいろあるので参加できる時には参加するようにしています。
東温市の人を一言で表すと?
「優しい」「ゆったり」「のんびり」という印象です。地元の京都とは違った印象ですね。
あと、東温市の人は、他のまちに比べてモラルがあるように思います。
地域の中学生がきちんとヘルメットを被って自転車に乗っていたり、横断歩道を渡るときは、ちゃんと自転車を押して歩いて渡っていたり。道端にゴミを捨てないなど、当たり前のことかもしれませんが、「まじめだなぁ」と感じます。
1日OFFの日はどのように過ごされていますか?
夫婦で買い物や食事に行くことが多いです。車で10分ほどのスーパーに行ったり、東温市内で食べ歩きをして楽しんでいます。
観光気分を味わうために、時々は松山市や西条市など近隣の街に出かけることもあります。
昨年ご結婚された森田さん夫妻。
地域の方々が結婚式&披露宴を手作りするという、熱い祝福を受け、奥松瀬川で結婚式を挙げられました。
東温市で出会い、ご結婚されたお二人。
同じ京都府ご出身ということで、移住者目線で、奥様にも東温市のいいところを教えていただきました♪
移住してよかったことを教えてください
「奥松瀬川に住んで驚いたことは、野菜やジビエなど、食べ物がいただける文化です。鹿肉や猪肉など、奥松瀬川に来て初めて食べました。少しクセがあったけど美味しかったです♪」
とお話ししてくれた、奥様の晴絵さん。
奥松瀬川に向かう先々で出迎えてくれる、奥松瀬川の看板キャラクター「ほっこりちゃん」は、晴絵さんのデザインだそうです。
地元の方の手によって作られた『ほっこりちゃん』は、ほっこり奥松産直市の手芸品コーナーで販売されています。
奥松瀬川に来てくれた方が自然と触れ合いながら遊べるように、現在、住まいのある集落周辺にツリーハウスを制作する計画も進めているそうです♪これからが楽しみですね♪
協力隊活動について
東温市の地域おこし協力隊に応募したきっかけを教えてください
大阪で開催されていた愛媛県合同募集説明会に東温市が参加していて、初めて地域おこし協力隊を募集するというところも魅力でしたが、東温市の『地域づくり』という活動内容に惹かれて応募しました。
『地元の人たちと一緒に地域をづくりをもっとやりたい』という気持ちがあったので、一番に興味を持ち、すぐに見学したい!!と思いました。
#説明会のわずか2週間後には東温市に足を運び、地域見学に訪れたそうです
活動対象となる中山間地域が4地区ある中で、奥松瀬川(おくませかわ)地区を担当することになった経緯を教えてください
初めて地域見学に訪れたとき、奥松瀬川の公民館で地域住民の方とお話ししたのですが、奥松瀬川地域は、特産品や観光地などはないけど、人の繋がりが強いとの話を伺いました。
その“何もないところ”に惹かれて、奥松瀬川で活動したいと思いました。
なぜ、あえて「なにもないところ」を選んだのですか?
“過疎化しているが、資源が豊富な場所で人を集める”というのは分かりやすいし、そういう場所に人を集めるのは簡単なミッションで面白みがない。
その点、奥松瀬川は”何もない”という難易度の高さを感じたので、この場所を選びました。
何もない場所にこそ、可能性があると思うので。
#何でも自分で考えて自分でやりたい。「戦うつもりでこの場所にきた」という森田さん
地域おこし協力隊としては、奥松瀬川でどのような活動をされているのでしょうか?
最初の1年は、情報収集に時間を費やしました。
地域を見て、人を見る。性格や、どんな選択をするのか、どんな対応をするのか。関わっていく人は徹底的に見ていきました。
奥松瀬川地区の地域新聞作りや育苗を始めたのも、1年目です。
着任初年度の夏から、奥松瀬川地区の住民組織「奥松瀬川創生会議」(おくませかわそうせいかいぎ)の立ち上げや取り組みにも参加するようになりました。
「地域ならではのプログラム」、「地域の人がいないとできないこと」を日々考え、地域の方との連携を図りながら、“地域づくり”に努めています。
地域交流拠点ほっこり奥松について教えてください
#ほっこり奥松開館時間:9:00~17:00(休館日:水・木)
着任初年度の11月から空き家を取り壊し、年明けから改修工事を開始しました。
3月に入って2週間ほどで、ピザ焼き体験用の石窯を作り、2017年3月26日に地域交流拠点【ほっこり奥松】がOPENしました。
#当時は土日のみの営業予定でたが、現在は週5日で開館しているそうです
ほっこり奥松は、どのように利用されているのですか?
地域住民による地域住民のための交流拠点という位置づけで運営されていますが、ピザ作り体験や、レンタルピザ窯として活用できる石窯を作り、サイクリングでこの地を訪れた方や、地元の学生などに、ピザ作り体験等で利用いただいています。
#ピザは、北海道で年間通じて利用者が多かったため、自信があったという森田さん。石窯は、わずか2週間で作り上げたそうです。
あと、北海道の活動経験から、ほっこり奥松でミニディサービスのようなものを実施しようと思い、コミュニティスペースを「大人の教室」として活用しようと考えました。
地域に手芸の得意な人がいたり、竹の資源があることから、何か教室ができるんじゃないかと気づいたんです。
先生を呼び込み、地域の人がやりたいことを、この場所でやろうと決めて、教室開催に向けてすぐに動き始めました。
#パン作り、竹加工教室、手芸教室などを定期開催しているそうです。
【現在の教室一覧】
竹加工教室 | 第1・第4月曜日 | 14:00~17:00 |
パン教室 | 第4水曜日 | 10:00~13:00 |
ピザ教室 | 予約制 | |
手芸教室 | 第1・第3土曜日 | 9:00~12:00 |
#手芸教室は参加者多数のため、2教室に分かれて開催しているそうです♪
#ほっこり奥松に隣接する産直市は2018年4月15日にOPEN!!
ほっこり奥松について詳しくはこちら▽
とうおん山暮らし 奥松瀬川紹介ページ
手づくりの里 奥松瀬川FBページ
仕事のやりがいを感じる瞬間はどんなときですか?
地域の人たちと一緒に考えたり話し合って、実際に形になっていく時にやりがいを感じます。
「ほっこり奥松」は地域の人たちが集う場所になっています。地域の人たちが集まって、日常会話の中で「ほっこり奥松」の運営についてだったり、商品のアイデアだったり、イベントの企画のことで盛り上がります。
会議の中で話すようなことが「ほっこり奥松」という交流拠点ができたことで、当たり前のように話題になって形になっていく場面があるんです。そういう時にどのように関わって進めていくのかを考えるのは本当に楽しいです♪
仕事をする上で心がけていることは?
地域内の調整くらいです。
色んな人が関わりますので、みんなで楽しくできるだけ円滑に進むようにできたらなぁと思って仕事をしています。
ぽんぽこ農園について教えてください
着任初年度の2月に交流農園として、ぽんぽこ農園をOPENしました。
ぽんぽこ農園とは・・・1区画18㎡(3m×6m)、1年間10,000円の交流農園です。年間5区画ずつ増やしてきました。
詳しくはこちら▽
ぽんぽこ農園について
街中の方へ周知するために、横河原~志津川など市内新興住宅地に絞ってチラシを配布したところ、申し込みが増えました。
お隣の松山市や砥部町からもお申込みをいただき、現在は10区画を使っていただいています。
これから、BBQや、ドックランができるような場所にしたいです。
これから、どのようなことをやっていきたいですか?
奥松瀬川に限らず、中山間地域で仕事がしたいです。
中山間地域とは常に関わりを持ちながら、退任後も仕事の主力を磨き、地域にお礼がしたいです。
協力隊活動の延長線上のようなことをしていきたいですね。
協力隊としての3年間で土台を作っただけの状態なので、その土台が崩れないようにサポートしたいと考えています。
東温市の協力隊活動に興味を持たれている方へ、アドバイスやメッセージをお願いします
思いのほか、のんびりはできません。
やりたいこととか、熱い気持ちがあると思いますが、最初の1年は捨てるつもりで、地域に馴染むためにじっくりと時間をかけてください。
1年目で十分整えたら、2年目、3年目に協力隊としての活動をいっきに加速することができます。
自分自身、活動してきて、自分のやりたいこと=(イコール)地域の人がやりたいことではないと感じました。
地域の人と深く関わりながら、地域の人がやりたいことを、自分のやりたいことに変える努力をする。多少やりたくないことも、ちょっとひねるとやりたいことに変えられます。
苦手なことも、自分の得意分野にとりかえて楽しく活動することが重要だと思います。